わたしはひつじ about me

はじめまして、わたしはひつじです。

「羊の恵みが、あなたの日々を豊かにしてくれますように」

そんな願いを込めながら、羊毛で日用品などを作ったり、販売したり、作り方をお伝えしたりして生計を立てております。woolcrafts,works and well-bein。羊毛クラフターと言われるジャンルの人で、得意なのはフェルトです。

羊毛で日用品?羊毛フェルトってちくちく刺して人形とか作るやつでしょう?と思われる方もいるかもしれませんね。

作っているものは別ページでご紹介するとして、ごあいさつ代わりに、「羊毛」があなたのお手元にたどり着くまでのお話をさせてください。

セーターの成分表示にウールと見かけたことはありませんか?

ウールとは、羊毛の中でも抜けることのない「産毛」を加工した繊維を指します。

羊は、もともと自然換毛の生き物で、古代では地面に抜け落ちた毛を拾って収穫していたと言われています。

毛色も野生の羊は有色で、白い羊は貴重な外交カードにもなったほど。

家畜化に伴い、毛を採取し易いよう抜け落ちない部分の毛を多く持つ品種を、加工しやすいよう白く柔らかな毛を持つ個体を選りすぐり改良して、人間が手を加えた結果、今の白い毛の羊が多くなりました。

このため、羊にとって毛は、夏は強い日差しや暑さを遮り、冬は寒さに体温を奪われないよう、守ってくれる大切な器官ですが、

一方で、刈り取らなければ伸び続け体温調節を妨げ、皮脂を溜め込みその重さで体力を奪う厄介な部分でもあります。

羊を飼育する文化が版図を拡大するたびに、その土地の原種と掛け合わされたり、環境に合わせて改良されたりが繰り返され世界には600種以上の品種がいると言われていますが、そのほとんどが人の手で毛刈りされています。

時に「かわいそう」と言われてします毛刈りですが、毛刈りをされていない羊の方が適切な飼育がなされていない状態であることをご理解ください。(最近では、命ある限り繰り返し得ることが出来るため、持続可能な資源として注目されつつあります)

さて、毛ではなく肉のために生産されていることが多い日本でも、雪の季節が終わり草木が芽吹く頃、羊の状態確認やケアを兼ねて毛刈りが行われます。

日本の羊の大半を有する北海道の中でも、特に十勝には100頭以上の雌羊の群れ(繁殖群)を有する生産牧場が多い地域です。

どの羊飼いもこだわりを持って品種を選び飼育しており、美味しいお肉を生産されています。その中には羊がもたらすもの全てを生かそうと、ただ毛刈りするのではなく、羊毛収穫にも積極的に取り組まれる方もいます。

良い毛を収穫するためには、まず、持ち主である羊が健康である必要があります。

病気で毛が抜け落ちたり、出産や授乳のストレスで毛が細ることもあるので、羊飼いは羊が健やかに育つよう、生まれるよう、雌羊や土地のコンディションを整えます。

毛刈りをするその瞬間だけでなく、羊のライフイベントを踏まえ飼育環境をととのえるのです。

そうして、1年かけて羊が伸ばした羊毛が短くならないよう、生え際から1度で切り落としたり、

それでいて、羊が怪我をしないよう適切に道具を扱ったり保定したり、

無理な大勢で羊が苦しまないよう手早く済ませたり。

(毛質や状態に合わせて仕分けし、販売につなげている羊飼いは、高い毛刈り技術を持っているので、一見の価値ありですよ)

そうして刈り取られた1頭分まるまるの羊毛をフリースと呼びます。

私たちクラフターは、そうやって羊飼いが収穫してくれたフリースを使って物作りをします。

洗って、脂や汚れを落とし

ほぐして、草の欠片やゴミを取り除き

梳いて、繊維の向きをそろえ

濡らして捏ねて、フェルトにしたり

紡毛機やコマを使って、紡いで糸にしたり(わたしはひつじはここまで)

編んだり、織ったり、つくろったりして作りたいものを作ります。

……言葉で言うとさっぱりしてますが、これも時間と手間がかかることです(ときどきSNSでアップしているのでよろしければご覧ください)

今は機械化が進みましたが、戦後間もないころは北国ではよく見られた光景でした。

 

今あなたのお手元に、ウール製品や羊毛を素材としているものがあるとしたら、作り手の手間の前に、「生きた羊」と「羊飼い」がいることを心の片隅においてくださると嬉しいです。

そうして、長い旅をしてきたその温もりをどうか末長くおそばに置いてやってください。

 

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